SSブログ

今そこにある危機(32) [国際・政治情勢]

「NHKスペシャル「JAPANデビュー」抗議噴出後に番組担当者が台湾再訪で行なったこと=井上和彦

(SAPIO 2009年8月19・26日号掲載) 2009年9月3日(木)配信

文=井上和彦(ジャーナリスト)

 NHKスペシャル「JAPANデビュー第1回 アジアの〝一等国〟」(4月5日放送)、日本の台湾統治について検証したこの番組への抗議の声は、止むことがない。
 そんななか、事態収拾を迫られたNHKは、陰で驚くべき行動に打って出ていた。幾度も台湾に飛び、この番組に関する問題点を徹底追及してきたジャーナリストの井上和彦氏が、NHKが手を染めた「隠蔽工作」の全容を明らかにする。

 さる6月22日、NHKの番組ディレクターが、上司のチーフ・プロデューサーを伴って、台湾を訪れた。このディレクターは、「アジアの〝一等国〟」の番組を担当した人物である。その彼が、台湾を再び訪れたという。いったい何のために?

 実は、この番組に証言者として登場した柯徳三氏を、訪ねていたのである。

 台湾統治の「悪かったこと」だけを意図的に取り上げたとしか思えないこの番組には、4月の放送直後から偏向報道との批判が殺到したが、決定打となったのは、当の取材対象者である柯徳三氏が放送後、「日本人が悪く思うようなところは削ってもかまわない」と言ったにもかかわらず、逆にそこだけ使われたとして、「NHKに騙された」と怒りをあらわにしたことだった。氏は6月15日には、抗議と訂正を求める文書に署名し、7月3日には正式にNHKに対し提出している。

 その内容は、「台湾での取材で、多くの意見が出たにもかかわらずそれを公平にとりあげていなく、編集の偏向、歪曲がうかがえます」として、「日台戦争」「日本は台湾人の漢民族としての誇りを奪った」「日本統治時代には中国語の使用が禁じられた」「パイワン族の人々が〝人間動物園〟の見世物として日英博覧会に連れて行かれた」という四点について、歴史解釈に間違いがあることを抗議し、訂正を求めるものだった。

 NHKが柯氏のもとを訪れたのは、氏が文書に署名してから提出するまでの間ということになる。さらに彼らが台湾を訪問した後の25日には、8389人に上る視聴者が番組内容に精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求める民事訴訟を東京地裁に起こしており、NHKとしてはかなり切羽詰まった状況であったことが窺える。

となれば、訪問の目的はただ一つ。

 ディレクターらは、柯徳三氏に対し、NHKへの抗議を取り下げてほしいとお願いしたのだ。

 柯徳三氏の証言によれば、ディレクターらは彼のもとを訪れ、身内がこの騒動の巻き添えになる恐れがあるので警察に保護願いを出したということまで持ち出して、抗議の撤回を懇願したという。

 さらにディレクターは、柯徳三氏に対して、「たいへんご迷惑をおかけして申し訳ございません」と、目に涙をためて謝罪したというのだ。

 そこで柯徳三氏は、ディレクターらに対して、「私に謝ってもらってもしょうがない。公でちょっと謝ればそれで事態が収まるじゃないか」と諭した。

 すると彼は、こう返したというのだ。

「それはできません」

 実に筋違いな話だとは思わないだろうか。

 柯徳三氏には謝罪しておきながら、公の場で謝れないというのはいったいどういうことなのか。

 いや、それ以前にこれが事実とすれば、NHKは番組内容の偏向を認めたことになる。その上で、抗議取り下げを懇願したとすれば、これはもう明らかな「隠蔽工作」である。

 私は本誌編集部を通じ、NHKに事実関係を問うたが、「放送後、出演された方々に番組の反響をお伝えし、お会いもしましたが、その他、ご指摘のようなことはありません」との回答しか得られなかった。NHKはそこでどのような話をしたのか、明らかにする必要があるだろう。

<称賛の意見ばかりを集めた「視聴者の声」なる文書>

 実は、このJAPANデビュー問題に関し、NHKが「隠蔽工作」に打って出たのはこれが初めてではない。

 番組放送後、その偏向ぶりに怒った人々の批判がNHKに寄せられ、大きな問題に発展し始めるや、NHK側は柯徳三氏に、一通のEメールを送りつけてきた。そこには、58件に及ぶ視聴者の感想が掲載されていた。

 そのコピーがいま手元にある。その一例はこうだ。

「映像と取材の力を改めて感じた。歴史から日本の現在を見直す、そしてこれからの歩みを考える上で、新しい歴史観を示していた。台湾は親日、という日本の単純な見方に、一石を投じていた」(大学教授)

「大変素晴らしい番組で、圧倒され、感動した。台湾支配の責任について、現今の言論状況の中、あそこまで克明かつ説得的に描いていたことに、喫驚した」(別の大学教授)

 そこには、58件の番組に対する「称賛」の声しか載っていなかったのだ。しかも、その冒頭には大学教授や大学院生などの肩書が並び、まるで権威ある肩書に番組の正当性を語らせているようだ。Eメールは仲介者を挟みファクスで柯氏のもとに届けられたが、それが送信されてきた現場に、台湾在住ジャーナリストの片倉佳史氏が居合わせていた。

 片倉氏によれば、ファクスが届いた直後、NHKから柯氏のもとに電話があったという。片倉氏がその内容を尋ねたところ、NHK側は「さっきの(感想の声)は、柯さんだけに留めてほしい」とお願いしてきたというのだ。柯氏は、「けしからんよ。男らしくないな」と片倉氏にこぼしていたという。

 それほどまでに番組を称賛する声が視聴者から寄せられているのであれば、むしろ柯徳三氏から周囲に話してもらえばよいではないか。にもかかわらず、他に公表しないでほしいというのは、柯氏に送った〝視聴者の声〟なるものに、やましいことがあるという証拠ではないか。

 NHKの「視聴者対応報告」(視聴者サービス局視聴者センター)によれば、4月時点におけるこの番組の反響は2924件で、好評意見はわずかに129件、厳しい意見(つまり批判意見)が1945件と10倍以上、問い合わせも570件となっているではないか。恐らくNHK側は、この番組が激しい批判にさらされはじめたため、あわてて好評意見のみをかき集めて柯徳三氏に送りつけたのだろう。つまりこれは、日本で巻き起こっているNHKに対する激しい批判を覆い隠そうとする隠蔽工作である。

 しかし、その間にも抗議の声は高まるばかりだった。東京ではNHKに対する1000人規模の抗議デモが3度も行なわれた他、北海道や大阪、名古屋でもNHKに対する抗議デモが行なわれ、ついには国会議員による「公共放送の在り方について考える議員の会」(会長・古屋圭司衆議院議員)が結成された。中でも中山成彬衆議院議員は二度にわたってNHKに対して質問状を送ったが、これに対し、NHKは、開き直りともとれる態度で回答している。

<柯さんとの電話のやり取りまで切り貼り>

 中山議員から出された6月4日付の質問状に対する回答で、NHKは、「『再質問状』を受理した後、柯さんに確認し、『それでよろしいです』という返事をいただいています。繰り返しになりますが、柯さんがNHKに対して憤っている、という事実はありません。また、NHKは柯徳三さんから抗議を受けていません。今回、『再質問』を受理した後、念のために柯さんに確認したところ、柯さんは『NHKに対して抗議するような気持ちはありません』とおっしゃっています」と回答している。

 ところが私が柯徳三氏に確認したところによれば、中山議員からNHKに対する再質問状が出された6月4日以降に、NHKから電話を受けた記憶はないという。この点についてさらに聞いてみると、以前にディレクターから「騒ぎは下火になってきた」という主旨の話を電話で聞いたので、柯氏は「それでよろしいです」と言ったことがあるとのことだった。NHKは電話のやり取りまで切り貼りするつもりなのか。もとより、このNHK問題は沈静化する方向にはなく、そもそも発言自体、ウソだったということではないか。

 さらに前述のNHK回答書にはこうある。「……また取材時、柯徳三さんにはあわせて5時間程度インタビューしています。番組で使用した部分は、柯さんの発言の趣旨を十分に反映していると考えています。未使用の部分のインタビューも含めて5時間全体を繰り返し確認し、番組で使用する部分を決めています。恣意的な編集はありません。柯さんの5時間のインタビューの大半は、日本の統治に対する厳しい批判です」

 これに対し柯徳三氏は真っ向から反論した。

「それは間違いです。まったく誤りです!」

 柯徳三氏は、インタビューの大半が日本統治に対する厳しい批判であったというNHKの回答に憤慨している。柯氏によれば、わざわざディレクターの求めに応じて前日と同じ服を着て学校に行き、そこで日本統治時代の教育を称賛したにもかかわらず、この部分は一切使われていなかったというのだ。であれば、このNHK側の回答はまったくの作り話ということになる。しかも柯徳三氏は、あの番組では、台湾を見捨てた戦後の日本に対する恨みを、まるで、戦前の日本に対する恨みのように歪曲して編集しているとも指摘している。

<NHKは番組が「国辱的」であることを認めた>

 さらに、5月12日に行なわれたNHKの経営委員会議事録によれば、NHK福地茂雄会長は、「番組を3回見ましたが、確かに見る人の見方によっては国辱だというところはあります」と述べている。ということは、福地会長自らが、この番組が国辱的に見えることを認めているではないか。

 さらに福地会長は、こうも述べている。

「私は証言の中でいいとこ取りをされるのが非常に嫌いです。前職の時代から、証言を出してみたら意図とまったく違い、ある部分だけが使われたことがありました。それは私自身も一番嫌でしたので、ディレクターを2回呼んで確認しました。褒めているところはなかったのかということですが、教育については褒めているところがありました。確かに番組の中でも、先ほどの方の発言は出していませんが、映像の中のコメントで説明していました。そういった面で、すべて事実に基づいて描いているという自信を持ちました」

 この文面を見たときの柯徳三氏のあきれ返った表情を、福地会長にお見せしたいものだ。

 福地会長に聞きたい。

 柯徳三氏を筆頭に、あの番組に登場した方々が、自分たちが伝えたかった日本統治時代のいいところは一切使われずに、都合のよい編集がなされたと証言されているが、これをどのように考えているのか? そして、改めて担当ディレクターをはじめNHKが行なっている「隠蔽工作」の真相を、聞かせてもらおうではないか。

 番組の偏向・歪曲もさることながら、こうした悪質な隠蔽工作は、NHKの体質そのものかもしれない。今後もNHKには国民の厳しい監視の目が必要のようだ。」

「人気ギャグ漫画家がぶち切れたNHK"やらせ"取材の一部始終

(週刊朝日 2009年10月02日号配信掲載) 2009年9月28日(月)配信

 はからずもNHKの体質が表れたというべきか。

 漫画家の唐沢なをき氏(47)が、NHK衛星第2の深夜番組「マンガノゲンバ」の取材に腹を据えかねて出演を拒否した顛末を、唐沢氏の妻でエッセイストの唐沢よしこさんがブログで明かしている。

 取材に立ち会ったよしこさんは、NHKの呆れた取材ぶりについて本誌にこう語った。

「7月のことでした。インタビューで、あちらの意に沿わない答えをすると、質問されたディレクターさんが『いや、そうじゃなくて』と露骨にがっかりするんです。相手が喜ぶことを言わなきゃという気持ちにさせられて必死に答えを探すことの繰り返しで、取材を終えてから不本意なことを言わされた腹立たしさで涙が出ました。このまま放送されると一生後悔すると思ったので、残りの取材をお断りした次第です」

「マンガノゲンバ」は旬の漫画家や作品を紹介するドキュメンタリータッチの番組で、このときは、なをき氏が「イブニング」(講談社)で連載する「ヌイグルメン!」を取り上げる予定だった。「ヌイグルメン!」は、特撮ヒーロードラマの舞台裏をギャグタッチで描いた人気漫画だ。

 なをき氏へのインタビュー後は、「スーツアクター」と呼ばれる着ぐるみ役者をなをき氏が取材するという企画も用意されていたのだが、このディレクター氏、その取材をなをき氏の作品に反映させてほしいとまで要求してきたのだとか。

 しかし、なをき氏がいちばん許せなかったのは、

「子どものころから特撮が好きなら、なぜ特撮の仕事をせずにマンガ家になったのか」

 と問われて、

「マンガが好きだから」

 と答えたところ、このディレクターから“NG”が出たことだったという。

「『ヌイグルメン!』を描くために漫画家になったとでも言わせたいのでしょうか」(よしこさん)

 NHKは本誌の取材に、

「回答をおしつけることはありません」

 と回答するが、なをき氏が不快な思いをしたのは事実。「シナリオどおり」を出演者に促すのは、“やらせ”の誹(そし)りは免れまい。」


NHKスペシャル「JAPANデビュー」第1回「アジアの一等国」の捏造報道には、私もTVで実際に番組を見た際に、明らかに『偏向報道』だと分かり、大いに怒りを感じました。現在、日本国民が8000人以上も精神的苦痛を受けたとNHKを提訴していますし、台湾の原住民や台湾の人たちも尊厳を傷つけられたとして、NHKを訴えています。日本国民もNHKに対し、数回デモを行い、実際、NHK本社にデモ隊が突入しました。上記の記事を見るとNHKの捏造体質がいかに根深いものか分かります。NHKの受信料は払いたくないですね。NHKの番組は見ないのが精神的に良いと思います。

NHKの正体―情報統制で国民に銃を向ける、報道テロリズム(OAK MOOK 293 撃論ムック)

NHKの正体―情報統制で国民に銃を向ける、報道テロリズム(OAK MOOK 293 撃論ムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: オークラ出版
  • 発売日: 2009/06/30
  • メディア: 単行本



反日マスコミの真実 2009−メディアの情報支配へ反乱が始まった! (OAK MOOK 264 撃論ムック)

反日マスコミの真実 2009−メディアの情報支配へ反乱が始まった! (OAK MOOK 264 撃論ムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: オークラ出版
  • 発売日: 2008/12/18
  • メディア: 単行本


人気ブログランキングへ
ブログランキング・にほんブログ村へ

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(1) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 1

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。