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今そこにある危機(248) [国際・政治情勢]

「「真珠の首飾り」…港湾網整備、イランにも接触 中国、シーレーン着々

2010年1月23日(土)8時0分配信 産経新聞

 【ロンドン=木村正人】「真珠の首飾り」のようにインド洋で次々と港湾建設を進める中国が、イランにも技師と機材を提供していることが英軍事専門家の話でわかった。中国はインドや米国の海軍を刺激しないよう、港湾施設の用途を通商目的に限定して、中東やアフリカから石油などの資源を輸入するシーレーンを着実に築いている。

 英軍事情報会社ジェーンズのアジア担当上級アナリスト、クリスチャン・レミュア氏らは、中国が整備を進めるミャンマー・シットウェ▽バングラデシュ・チッタゴン▽スリランカ・ハンバントタ▽パキスタン・グワダル-の4港を衛星写真で詳細に分析した。


 2007年に開港したグワダル港では拡張工事が進められ、12年には現在の3バースを12バースに増やす計画だ。中国は総額30億ドル(約2700億円)を投じて、石油貯蔵施設や自由貿易ゾーンなどを整備している。軍事転用が可能な施設はヘリ発着場と隣接するビルだけで、同氏は「完全な商業港だ」と語る。


 インド洋の要衝、ハンバントタ港に投入した金額は10億ドル(約900億円)。「真珠の首飾り」の中でも同港は目覚ましく建設が進み、船舶修理所や倉庫、石油備蓄施設が整備されている。1~2隻の軍艦が入港できるが、狭すぎて軍港には適さないという。


 中国はインドを囲い込むように港湾網を整備。このため、インドはシットウェ港で中国が軍艦への燃料補給施設を建設中だとして神経をとがらせているが、衛星写真からはその形跡はうかがえなかったという。


 同氏によると、中国はシーレーン構築のため、ペルシャ湾やアラビア半島、アフリカ東海岸に港湾網を広げる可能性がある。ただ、サウジアラビアやアラブ首長国連邦は港湾の新設には消極的で、中国はイランに技師と機材を提供するなど関係を強化している。


 ソマリア沖の海賊対策で600年ぶりにアフリカに艦船を派遣した中国では近年、15世紀に東南アジアからインド、アラビア半島、アフリカまで航海した明代の武将、鄭和の役割が強調されている。


 同氏は「空母をインド洋に展開するなど海軍力でインドや米国に対抗できるようになるまで中国は通商を前面に押し出し、徐々に港湾網の整備を進めるだろう。今のところ中国に軍事施設をつくる野心は限られている」と指摘した。」


中東やアフリカにカネをバラ撒き、友好国(というより『朝貢国』!?)にし、中東やアフリカの資源獲得とインドに対する包囲網を同時に獲得して、着々とシーレーンの確保を図る国家戦略を推し進める中共支那のしたたかさ。
それに引き換え、国家戦略も何もなく、行き当たりばったりの『友愛外交』をして迷走を続ける日本。どちらが、将来勝利するかはバカでも分かる話である。今現在は商業港だけを建設中の中共支那だが、いずれ、自国のシーレーン確保の為に海軍を中心とする軍事力を配備するのは自明の理である。現在のソマリア沖の海賊対策も、日本に代わってインド洋の給油活動に乗り出そうとしているのも、その為の『布石』だろう。中共支那のシーレーンは、日本のシーレーンとも重なっており、日本のシーレーンは中共支那の軍事力によって危険に晒されるだろうし、アメリカに接近するインドに対する封じ込めも企図しているものと思われる。まさに深謀遠慮。敵ながら天晴れといったところか。日本の政治家も少しは見習って欲しいくらいだ。

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townsrus

ソーラー発電やマイクロ水力発電、風力発電などを増やして、エネルギー資源を外国に頼らない国作りをしないとなりませんな♪
by townsrus (2010-01-24 03:33) 

gaiagear

townsrusさん、nice!&ご訪問&コメントどうも有難う御座います。
資源小国の日本は戦前からエネルギー資源の確保に努めてきました。
原子力発電の強化もその一環です。危険は伴いますが、仕方ないでしょうね。東シナ海の天然ガスと海底油田は日本のおバカな政治家どものおかげで、中共支那に盗られてしまいそうですし、そこで有力なのが、日本近海に眠るかの有名な『メタンハイドレート』ですよ。これの採掘も早くしないと、他国の持ってて行かれてしまいますから、早期開発を望みますね。
by gaiagear (2010-01-24 20:34) 

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