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今そこにある危機(67) [国際・政治情勢]

「砂上の楼閣?東アジア共同体 枠組みあいまい、危うさ露呈

2009.10.10 18:49 産経新聞


北京の人民大会堂で日中韓首脳会談に臨む(左から)韓国の李明博大統領、中国の温家宝首相、鳩山首相=10日午前(代表撮影・共同)

 鳩山由紀夫首相は9、10両日、韓国と中国を相次いで訪問し、両国首脳に自らが「『友愛』が導く国家目標」として掲げる東アジア共同体構想を説き、アジア重視の姿勢を強調した。だが、肝心の構想の枠組みや中身が判然としない上、同盟国である米国との関係もはっきりしない。そこからは、観念的理想をやみくもに追求する鳩山外交の危うさが浮かび上がってくる。(北京 阿比留瑠比)

 「日米関係の見直しなんて全然言っていない!」

 10日の日中韓首脳会議終了後、記者団から鳩山首相の「今まで米国に依存しすぎていた」との発言の真意を聞かれた同行筋は、強い口調でこう打ち消した。

 だが、鳩山首相をはじめとする鳩山内閣の米国に対する不明瞭な言動が、内外にこうした不信感の種をまいたのも事実だ。

 「決して米国を除外するつもりはない。むしろその先に、アジア太平洋共同体を構想するべきだ」

 鳩山首相は9月16日の就任記者会見で、共同体構想についてこう述べたが、同月23日のオバマ米大統領との初会談では、構想について説明しなかった。その一方で、岡田克也外相は10月7日の講演で、米国を除外する考えを表明し、「中国と共同していく」との考えを示している。

 この食い違いについて外務省幹部は、「構想については首相からも外相からも明確な説明を聞いたことがなく、よく分からない。政権内でもまだ話し合いができていないのだと思う」と打ち明ける。また、別の幹部も「どういう性質のものなのか把握できない。事務方としてもフォローが難しい」という。

 政府内がこれでは、鳩山首相から共同体構想を持ちかけられた側が戸惑うのも無理はない。

 9日の日韓共同記者会見で鳩山首相は、「(李大統領と)構想実現に向け一歩踏み出していこうという思いを共有できた」と笑みを浮かべた。

 これに対し、李大統領は「望ましい構想だ」としながらも、「実現の前提として、いろいろな問題が解決されなければならないので、時間が少しかかるかもしれない」と留保した。

 鳩山首相は韓中歴訪にあたって、8日夜、記者団に対し「構想を机上の空論に終わらせたくない」と熱い思いを語った。だが、10日の日中韓共同声明でも構想は「長期的目標として引き続きコミットし」と記されたにとどまった。

 6日に首脳会談を行ったシンガポールのリー・シェンロン首相からは「開かれた地域協力を進め、域外とも連携する必要がある。米国の関与が重要だ」とクギを刺されるなど、鳩山首相の意欲は空回り気味だ。

 鳩山首相が8月に月刊誌に寄稿した論文で、「米国主導のグローバリゼーション(地球規模化)」を批判した経緯もある。米国から「世界全体に広がるのはだめで、東アジア域内だけまとまるのはいいのか」と警戒や反発を受ける恐れも否定できない。

 もともと、東アジアにEU(欧州連合)諸国のような共通の理念や価値観、宗教的背景はなく、日本にとって、安全保障上の利益があるともいえない。

 鳩山首相は、「砂上の楼閣」を築こうと試みているのではないか。」

「【主張】日中韓首脳会議 米国抜きの共同体は危険

2009.10.11 03:04 産経新聞

 鳩山由紀夫首相と温家宝中国首相、李明博韓国大統領の日中韓首脳会議が北京で開かれ、北朝鮮の6カ国協議早期復帰と再開へ向けた協力で一致し、東アジア共同体構想の検討などを盛り込んだ共同声明を発表した。

 鳩山首相は2日間に日韓、日中首脳会談もこなし、就任後初のアジア訪問外交を締めくくった。

 北朝鮮の核・ミサイル廃棄や拉致問題の解決を促す日中韓の協力体制強化は当然であり、歓迎できる。だが、首相の東アジア共同体構想には米国や中国の位置づけなど懸念される点が多い。日米同盟関係を危険にさらさないように、首相は明確で首尾一貫した説明を果たす責務がある。

 北朝鮮問題では温首相が先の訪朝結果を報告した。これを受けて米国が検討中の米朝協議や日朝、南北の2国間協議再開の展望も踏まえて、日中韓の連携を深めることを確認した。

 ただ、北に軟化の兆しが見えるにせよ、協議復帰に条件を付ける可能性もある。6カ国協議再開の道は平坦(へいたん)ではない。各国は「無条件復帰するまで国連制裁を着実に進める」という方針を今後も堅持すべきであり、3首脳がこの点を強調しなかったのは残念だ。

 さらに心配なのは東アジア共同体構想だ。首相は先月、ニューヨークでの日中首脳会談や国連総会演説で構想をぶち上げたが、この間に行われたオバマ米大統領との会談では構想の説明を避けた。このため米側では「日本がアジア諸国と協力を深めるのは賛成だが、米国を排除するような地域枠組みは有益といえない」(米高官)との苦言や警戒の声が出ている。

 首相は「米国を除外するつもりはない」(首相就任会見)というが、岡田克也外相は「日中韓、東南アジア諸国連合、インド、豪、ニュージーランドで考えたい」と「米国抜き」を明言し、両者の説明はちぐはぐだ。日中韓首脳会議後の会見で、首相が「今まで米国に依存しすぎていた」と語ったことにも大きな違和感を受ける。

 首相は欧州連合(EU)型の共同体を描いているとの見方もあるが、その場合には政治・社会体制も異なる中国をどう位置づけるかの説明をすべきだろう。

 アジア外交で日本が指導力を発揮する前提となるのは同盟を通じた日米の連携と協力があってこそである。首相と外相はこのことを肝に銘じてもらいたい。」


鳩山政権の空想的政策には、もうウンザリですね。この政権には『リアリズム』という視点を欠いているとしか思えません。物理的に不可能だと誰もが思うことを平気で国際舞台で言う、そのバカさ加減には呆れるばかりです。鳩山首相の『今まで米国に依存しすぎていた』という発言は明らかに『日米関係の見直し』を示唆しているとしか思えないです。最早、自分の理想に酔って、現実逃避状態で、常人の常識を超えています。鳩山首相はやはり日本人ではなく、『宇宙人』ですね。

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みかんママ

不安だらけの民主党のキャッチそのままですね。
「不安」と言う生易しいものではありませんが…

国民から不信任投票できる制度を作って欲しいくらいです。
即ご退場願いたいです、本当に!
by みかんママ (2009-10-11 20:47) 

gaiagear

みかんママさんへ。
全くこのままでは日本は確実に消滅します。
亡国の鳩山民主党政権の早期打倒を日本国民は真剣に考えなければなりません。
by gaiagear (2009-10-12 14:37) 

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