今そこにある危機(100) [国際・政治情勢]
「【ハロランの眼 太平洋の真中で】米太平洋軍は健在なり あす退任の司令官語る
2009.10.18 07:42 産経新聞
この19日に米太平洋軍の指揮権をロバート・ウィラード海軍大将に譲る予定のティモシー・キーティング海軍大将は、「米軍が太平洋において衰えているとの見方はあまり根拠がないと思う」と述べた。配属されている兵士、水兵、海兵隊員、空軍兵30万人のうち3万人がイラクやアフガニスタン、インド洋で任務に就いているとはいえ、太平洋軍の戦闘能力は損なわれていない、と同大将は語った。
キーティング司令官は、パール・ハーバーを一望する丘にある執務室での会見で、太平洋軍の能力が低下してきたという主張について、「不正確な表現だと思う」としつつも、同軍参謀団が作戦計画や訓練に関し「一定の調整をした」ことは認めた。「しかし、われわれの戦闘能力は、私がやってきた日と変わらない、とはっきり言える」。それは2年半前のことだった。
米国の力の衰退をめぐって中国、ロシア、欧州、中東、そして米国の学者、軍事戦略家、国防当局者たちの憶測が出だしたのは、あのあたりからだ。だが、精査すれば、問題は、米国の弱体化ということよりむしろ、中国の経済、軍事的台頭、アジアの他の諸国の浮上、アジアでのロシアの力の復活という点にある。
「私は中国については、懸念していないが、随分と考えてはいる。そこには違いがある」と、キーティング氏は言った。参謀将校たちの推定では、司令官と参謀は、中国領海外を哨戒中の米艦船に対する中国の妨害といった事件をはじめ、中国に対処する案件に時間の30%を費やしている。
同大将は、過去15年間における前任者たちと同様、中国には米国の能力と意図を見誤るなと戒めてきた。あるエピソードを参謀将校たちが話した。中国の海軍大将が中国と米国で太平洋を分割し、中国が西側部分を、米国が東側海域を、支配するという案を示したのに対し、キーティング氏は提案を峻拒(しゅんきょ)したという。
中国の軍事力を評価する際、ミサイルや航空機、軍艦に主眼を置き、訓練など無形のものを無視する欧米の国防専門家は多い。例えば、中国の戦闘機乗りが受ける典型的な飛行訓練の時間は月7ないし8時間であるのに、米国のそれは肉体的に要求が厳しい状況下で月20~22時間である。
韓国では、米軍はソウル南部の複合基地に大半の兵士を集結させており、彼らはアジアの他の所に展開可能な遠征軍を構成する。北朝鮮に対する自国防衛については、韓国が全面的に責任を負う。「それが、過去にはできなかった形でこれらの(在韓米)軍を使う柔軟性をわれわれに与えてくれる」とキーティング氏は話した。
大将は、米国が昨年、横須賀を母港とする空母を、キティホークから原子力推進ではるかに能力の高いジョージ・ワシントンに交代させたことにも言及した。その日本自体の役割は、民主党率いる新しい政権の下で疑義をさしはさまれがちだ。「彼らがいかなる安全保障の取り決めを選択するのか、われわれは大いに関心を持とう」と、キーティング氏は指摘した。
太平洋中部の米領、グアムは、潜水艦3隻が配備され、爆撃機と戦闘機が交代制で定期的に出入りし、海兵隊も沖縄から移転、枢要な前進作戦の拠点となりつつある。「われわれはグアムをますます利用するだろう」と、氏は予測した。
キーティング氏は、オーストラリアの米国との同盟への貢献、インドネシアでの対テロ作戦の進展、そして、米国との安保対話や訓練へのインドの関心の増大を、いずれも太平洋における米国の軍事力投影を強めているとしてたたえた。
要約して、司令官はこう言った。「私は楽観的に就任し楽観的に退任する」」
「中国の海軍大将が中国と米国で太平洋を分割し、中国が西側部分を、米国が東側海域を、支配するという案を示したのに対し、キーティング氏は提案を峻拒(しゅんきょ)した」というエピソードからも、ティモシー・キーティング海軍大将の日米同盟を最重要視しておられる姿勢が窺えます。現在のオバマ米民主党政権は、明らかに『中共支那寄り』の政策を取りつつありますが、米軍は、日本との関係を重視している従来の姿勢が変わらないことが、彼の言動からも分かります。ティモシー・キーティング米太平洋軍司令官には、今まで日本を守ってくれてありがとうと深く感謝致します。
2009.10.18 07:42 産経新聞
この19日に米太平洋軍の指揮権をロバート・ウィラード海軍大将に譲る予定のティモシー・キーティング海軍大将は、「米軍が太平洋において衰えているとの見方はあまり根拠がないと思う」と述べた。配属されている兵士、水兵、海兵隊員、空軍兵30万人のうち3万人がイラクやアフガニスタン、インド洋で任務に就いているとはいえ、太平洋軍の戦闘能力は損なわれていない、と同大将は語った。
キーティング司令官は、パール・ハーバーを一望する丘にある執務室での会見で、太平洋軍の能力が低下してきたという主張について、「不正確な表現だと思う」としつつも、同軍参謀団が作戦計画や訓練に関し「一定の調整をした」ことは認めた。「しかし、われわれの戦闘能力は、私がやってきた日と変わらない、とはっきり言える」。それは2年半前のことだった。
米国の力の衰退をめぐって中国、ロシア、欧州、中東、そして米国の学者、軍事戦略家、国防当局者たちの憶測が出だしたのは、あのあたりからだ。だが、精査すれば、問題は、米国の弱体化ということよりむしろ、中国の経済、軍事的台頭、アジアの他の諸国の浮上、アジアでのロシアの力の復活という点にある。
「私は中国については、懸念していないが、随分と考えてはいる。そこには違いがある」と、キーティング氏は言った。参謀将校たちの推定では、司令官と参謀は、中国領海外を哨戒中の米艦船に対する中国の妨害といった事件をはじめ、中国に対処する案件に時間の30%を費やしている。
同大将は、過去15年間における前任者たちと同様、中国には米国の能力と意図を見誤るなと戒めてきた。あるエピソードを参謀将校たちが話した。中国の海軍大将が中国と米国で太平洋を分割し、中国が西側部分を、米国が東側海域を、支配するという案を示したのに対し、キーティング氏は提案を峻拒(しゅんきょ)したという。
中国の軍事力を評価する際、ミサイルや航空機、軍艦に主眼を置き、訓練など無形のものを無視する欧米の国防専門家は多い。例えば、中国の戦闘機乗りが受ける典型的な飛行訓練の時間は月7ないし8時間であるのに、米国のそれは肉体的に要求が厳しい状況下で月20~22時間である。
韓国では、米軍はソウル南部の複合基地に大半の兵士を集結させており、彼らはアジアの他の所に展開可能な遠征軍を構成する。北朝鮮に対する自国防衛については、韓国が全面的に責任を負う。「それが、過去にはできなかった形でこれらの(在韓米)軍を使う柔軟性をわれわれに与えてくれる」とキーティング氏は話した。
大将は、米国が昨年、横須賀を母港とする空母を、キティホークから原子力推進ではるかに能力の高いジョージ・ワシントンに交代させたことにも言及した。その日本自体の役割は、民主党率いる新しい政権の下で疑義をさしはさまれがちだ。「彼らがいかなる安全保障の取り決めを選択するのか、われわれは大いに関心を持とう」と、キーティング氏は指摘した。
太平洋中部の米領、グアムは、潜水艦3隻が配備され、爆撃機と戦闘機が交代制で定期的に出入りし、海兵隊も沖縄から移転、枢要な前進作戦の拠点となりつつある。「われわれはグアムをますます利用するだろう」と、氏は予測した。
キーティング氏は、オーストラリアの米国との同盟への貢献、インドネシアでの対テロ作戦の進展、そして、米国との安保対話や訓練へのインドの関心の増大を、いずれも太平洋における米国の軍事力投影を強めているとしてたたえた。
要約して、司令官はこう言った。「私は楽観的に就任し楽観的に退任する」」
「中国の海軍大将が中国と米国で太平洋を分割し、中国が西側部分を、米国が東側海域を、支配するという案を示したのに対し、キーティング氏は提案を峻拒(しゅんきょ)した」というエピソードからも、ティモシー・キーティング海軍大将の日米同盟を最重要視しておられる姿勢が窺えます。現在のオバマ米民主党政権は、明らかに『中共支那寄り』の政策を取りつつありますが、米軍は、日本との関係を重視している従来の姿勢が変わらないことが、彼の言動からも分かります。ティモシー・キーティング米太平洋軍司令官には、今まで日本を守ってくれてありがとうと深く感謝致します。
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