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今そこにある危機(81) [国際・政治情勢]

「オバマ氏へのノーベル賞授賞 大統領支持層からも批判

2009.10.14 19:22 産経新聞


13日、ホワイトハウスで会見するオバマ大統領(ブルームバーグ)

 【ワシントン=古森義久】オバマ米大統領へのノーベル平和賞授与に対し、米国では、本来、オバマ支持層の民主党系やリベラル派からも批判や当惑が噴出している。「大統領を政治的に不利にする」などの負の反応ではあるが、批判が反オバマ陣営に留まらない点に異端さが表れている。

 大統領選でオバマ氏を支持した民主党元上院議員のボブ・ケリー氏は11日付のウォールストリート・ジャーナルへの寄稿で「ノーベル賞委員会はオバマ氏への授賞でアフガニスタンについての米国の政策議論に影響を及ぼそうと意図したのだろうが、この議論が終わるまで待つべきだった」と論評した。ケリー氏は同委員会がこの授賞で大統領にアフガン放棄を促すのだろうと示唆し、大統領がアフガン民主化の誓約を破る恐れが生まれた、と論じた。

 リベラル派の女性コラムニスト、ルース・マーカス記者は、ワシントン・ポスト(10日付)のコラムに「この授章はばかげている」と書いた。選挙でオバマ氏に投票したことを明記したうえで「この賞は何かを達成したことに与えられるはずなのに、オバマ大統領はまだなにも達成していない。こんな受賞はノーベル賞を参加者全員を勝者とする少年サッカーにしてしまう」とまで批判した。

 同紙の民主党系外交コラムニスト、ジム・ホーグランド氏も11日付の記事で授賞を「米国の政治への干渉」と評し、「早計な授賞がオバマ氏を過信させ、今後のアフガン作戦などで強硬すぎる行動をとらせかねない」との懸念を述べた。同記者はオバマ大統領が「中国の独裁者の機嫌を損なうことを恐れて」チベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との会談を避けたことも、平和賞にそぐわない行動として批判した。

 ニューヨーク・タイムズのリベラル派外交コラムニスト、トーマス・フリードマン記者は12日付で「ノーベル賞委員会は早まって平和賞を与えることでオバマ大統領に害を及ぼした」と書き、「世界で最も重要な賞が、このように価値を落とすことには落胆した」と述べ、オバマ氏が受賞にふさわしい行為をまだしていないと批判的に論じた。

 昨年の大統領選でオバマ候補支援を打ち出したワシントン・ポストも10日付の社説で「オバマ大統領は就任して9カ月になるが、依然、目標は目標のままだ」として受賞に値する業績がないことを提起した。」

「【ノーベル賞】オバマ氏への授与「値する何したのか」 反米チャベス大統領

2009.10.12 09:58 産経新聞

 南米ベネズエラの反米左翼チャベス大統領は11日、同国紙に発表したコラムで、オバマ米大統領へのノーベル平和賞授与が決まったことについて「本当のニュースというよりは間違いに思えた」と述べ、疑問視する考えを示した。

 チャベス氏は「(オバマ氏は)この賞に値する何をしたのか」と述べ、選考した委員会は「(オバマ氏が)イラクやアフガニスタンでの戦いを続けようとしていること」などを忘れていると指摘した。(共同)」

「【ノーベル賞】オバマ氏は平和賞辞退を 露極右ジリノフスキー氏
2009.10.10 22:11

このニュースのトピックス:ノーベル賞
 インタファクス通信によると、ロシアの極右政党、自由民主党のジリノフスキー党首は10日、オバマ米大統領にノーベル平和賞を辞退するよう勧める書簡を送った。

 この中でジリノフスキー氏は、時がたてば米軍主導のイラク、アフガニスタンでの戦争などのため、平和賞ははく奪されるからだと説明。オバマ氏はまだ世界の平和のために何も達成していないし、将来達成することもできないと主張している。(共同)」

「【ノーベル賞】歴代の米大統領、在職中の受賞は難局続き

2009.10.10 17:48 産経新聞


オバマ大統領(AP)

 【ワシントン=山本秀也】オバマ米大統領の受賞が決まったノーベル平和賞は、これまで2人の米大統領が在職中に受賞している。日露戦争の講和を仲介したセオドア・ルーズベルト(1906年)、国際連盟創設を主導したウッドロー・ウィルソン(19年)だが、いずれも受賞理由とは裏腹の政治状況に直面するなど、現職の米大統領が「平和の使徒」となる難しさを示している。

 米ウィスコンシン大学のジョン・クーパー教授(米国史)によると、オバマ大統領と同じく、ウィルソンの受賞は「想定外の驚き」だった。

 第1次世界大戦の戦後体制を協議したパリ講和会議で、ウィルソンは国際連盟の創設に首脳外交を演じたものの、米上院は基本条約となるベルサイユ条約の批准案を否決。失意のウィルソンにとり、予想しなかったノーベル平和賞の受賞は朗報だったが、理想とした米国の国際連盟加盟を実現できないまま、21年にホワイトハウスを去った。

 ポーツマス条約(05年)で日露講和を実現したルーズベルトは、受賞と前後してカリフォルニア州で高まり始めた日系移民排斥問題の処理に追われた。日米関係が冷え込む中、07年には米戦艦16隻の大艦隊を日本などに差し向ける軍事プレゼンスの誇示に傾いた。

 講和仲介の横顔とは印象が異なるが、クーパー教授は、「日英、露仏が同盟を結ぶ当時、ルーズベルトが日露講和を急いだ理由は、ドイツが漁夫の利を得ることを避けるためだった」と指摘。受賞理由が、実は「パワーゲームの一環に過ぎなかった」と語った。

 ルーズベルトが受賞の記念演説のため、オスロに赴いたのは、引退後の10年5月。ウィルソンはオスロを訪れていない。20世紀初頭には大統領への退職金支給制度がなく、賞金は引退後の生活費にあてられた。」

「ノーベル委員長がオバマ氏の平和賞授賞への批判に反論

2009.10.15 09:55 産経新聞

 オバマ米大統領へのノーベル平和賞授賞について、実績不足などを理由に一部で批判の声が上がっていることに対し、ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は「(過去1年で平和構築に向けて)オバマ氏より大きな貢献をした人がほかにいるだろうか」と反論した。

 AP通信によると、ヤーグラン氏は、西洋社会とイスラム社会との分断を修復しようとする努力や、ブッシュ前米政権時代に計画されたミサイル防衛(MD)関連施設の東欧配備の中止を挙げ、「これらすべてが、より安全な世界とまでは言わないまでも、世界の緊張を緩和させることに貢献した」と語った。

 別の女性委員は、授賞公表後にオバマ氏が声明を発表した際の様子について「あまりうれしそうではなかった」と指摘。今回の授賞が、オバマ氏への期待をさらに高め、批判勢力の攻撃材料となることで逆効果となりかねないとの認識を示した。(共同)」

「【ノーベル賞】「過去にブラント首相やゴルバチョフ大統領の例」 ヤーグラン委員長

2009.10.10 18:40 産経新聞


オバマ米大統領への平和賞授与を発表したノーベル賞委員会のヤーグラン委員長=9日(AP)

 【ロンドン=木村正人】ノルウェーのノーベル賞委員会のヤーグラン委員長は9日の記者会見後、欧米メディアとのインタビューに応じ、オバマ米大統領へのノーベル平和賞授与について「この1年間で世界の誰が最も平和を重視したかで選考した。オバマ大統領を上回る人はいなかった」と改めて説明した。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、ヤーグラン委員長は、ソ連・東欧諸国との緊張緩和策(東方外交政策)を進め、1971年にノーベル平和賞を受賞した西ドイツのブラント首相(当時)や、中距離核戦力全廃条約への調印などで冷戦終結に貢献し、90年に受賞したソ連のゴルバチョフ大統領(同)と今回の選考を比較した。

 「ブラント氏の受賞時、達成されたことは少なかった。だが、プロセスは始まり、89年のベルリンの壁崩壊で完結した。ゴルバチョフ氏も同じことだ。この2人の個性が欧州を変えたのと同じように、オバマ大統領も世界を変えようとしている」と述べ、オバマ大統領への授与決定が異例ではないことを強調した。

 イラク戦争を行ったブッシュ前米大統領を名指しはしなかったものの、「2~3年前の対立状況を見よ。今、われわれは意思だけでなく対話を進め、(平和を達成するため)国際機関を強化できる指導者を得ている」と語った。

 「オバマ氏はイスラム原理主義勢力タリバンとの戦闘が激化するアフガニスタンで泥沼にはまる恐れがあるのでは」との質問には、「われわれはそれを回避する努力をしなければならない。これはオバマ大統領だけの紛争ではない」と国際社会の協力を呼びかけた。

 ヤーグラン氏はノルウェーの労働党元党首で96~97年に首相を務め、今年2月に同委員長に就任したばかり。先月末、欧州諸国やロシア、トルコが加盟する欧州評議会の事務局長にも選ばれている。」


平和ボケの日本は論外として、米国内外では、オバマ米大統領へのノーベル平和賞授賞について、実績不足などを理由に大多数の人が、批判の声を上げているのが現状のようです。ノーベル平和賞の受賞基準には、以前から問題がありましたからね。ノーベル賞委員会のヤーグラン委員長のイイワケも苦しいですな。

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